本の箱を捨てる
[あらすじ]亡父と老母の蔵書を処分する作業が続いているよ。辞書は、引きたい時にサッと使えるのが良い。だから、箱なんかに入れていてはいけない。というのは良いと思う。今回、何千冊と在る蔵書を整理していて困ったのは、全集ものの欠巻が有ることだ。これは、古書として売るにも価値が下がる。中身が無いわけではない。箱の中に無いだけで、この家のどこかには在るのだ。だが、あっちも本、こっちも本なので、途方も無くて、探すとかいう感じがしない。70歳を過ぎたくらいからか、母が、本を元の位置に戻さなくなってしまった。地下室が書庫になっている。そこで必要な巻を取り出し、一階でじっくり使った後、何冊かをまとめて紙の手提げ袋に入れて地下室へ持って行き、そのまま置く。置きっぱなす。たぶん、次に困るのは自分だろう。困るのは自分しかいない。...本の箱を捨てる